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株式会社RTT チーフオペレーターの高橋です。
このブログも去年から始めて未だ31回・・・
毎週更新のつもりで最初は始めていましたが
現場が立て込んでいたり緊急事態宣言だったりで手が付かず・・・
何を書いても良いとは言われても下ネタを連ねるわけにもいかないし、
自分にとっては小説を書くようなものなので
ある程度の妥協こそあれ、
興味の無いトピックや関連の薄い内容だったり、
誰かにやれと言われた途端にやる気を失ってしまう自分にとっては、
例えば作詞家やイラストレーターのように
注文を受けて進めるような立場の仕事とは違って
自分の得意分野だったり自分の書きたいことでないと
なかなか作業が捗らず今日に至っておるわけで御座候。
ほんとにそういった注文を受けて仕事をするような
わかりやすく言えば上記のような作詞家やイラストレーター、
作曲家だってそうだし放送作家さん達とかも
受けた注文通りに仕上げなければ自分が納得のいく出来でなくても
押し通さなければならなかったりして、
自分には到底出来ないなと脱帽するばかりであります。
このブログも上からの指示で書かされているわけですが、
幸いなことに上記のような方々とは違って
自分の書きたいことを常識の範囲内で収めておけば許されるわけですから、
ジョジョ4部のスタンド「ザ・ロック」のように
心の重圧の重さで押しつぶされることもないのでね。
ではやっていきましょうか。
第31回!音響屋さんのお仕事〜ドラム編〜スネア紹介!
前回の記事で軽くドラムという楽器に触れましたが、
ほかの楽器類(ギターやベース)と比べて
複数の楽器が合わさって1つのセットとして扱うのがドラムセットの特徴です。
今回はもう少し個々の太鼓達を掘り下げてみようかなと思います。
まず私の普段のセッティングがこちら。
割とシンプルな方だと個人的には思っているんですが、どうでしょうかね。
所謂1タムセッティングというやつで、
タムタムという太鼓が1つのセッティングのことを指します。
1タムセッティングの場合、ライドシンバルをタムの横に配置するのがオーソドックスで、
私もそれにならってこのセッティングにしています。
その方が右手の可動域を抑えられるので負担が軽くて済むんですよね。
もう二つ特徴として、
太鼓の高さを可能な限り低めにセッティングしています。
私は身長が高い方ではないので高い位置に太鼓があると叩きづらいのと、
椅子に座って太鼓を叩くときに
自然と腕を振り下ろした位置に気持ちよく太鼓があるのを心掛けるためにそのようにしています。
あとはシンバルの角度もなるべく平行に近く、
ただ平行にし過ぎるとスティックでショットしたときに
スティックが鋭角に当たりすぎてスティックとシンバルの両方に負担がかかってしまうのと、
角度を付けすぎるとシンバルの余韻が吸収されやすくなるので、
こちらも自然な鳴りを保ちつつシンバルの寿命も考えてこういった設置にしています。
シンバルって意外と消耗品で雑に扱えばすぐに割れてしまうので、
そういった部分にも気を遣っているつもりです。
全体的なセッティングの紹介はこれくらいにして
次は個々の楽器についてお話ししていきます。
まずはこちら。
こちらが「スネアドラム」です。
小学校の時に皆さんが触ったことがあると思います小太鼓のことです。
このモデルは元SlipKnoT(米メタルバンド)のジョーイ・ジョーディソン シグネチャーモデルです。
スネアは大きく分けて金属胴と木胴の2種類がありますが、
こちらは金属胴で13″×6.5″(打面サイズ×深さ)というサイズです。
ウッドシェル(木胴)の方がやさしめな暖かいサウンドになりやすいんですが、
木なので湿度管理などに非常に気を遣うんですよね。管理はとても大切です・・・。
一般的なスネアが恐らく14″×5″とかだと思うので、
打面は狭く胴は深い仕様ですね。
打面が広い方が低い音が出やすく、胴が長いほど低い音が出やすいので、
13″で一般的なスネアよりも高い音を出しやすく、
6.5″で一般的なスネアよりも低い音を出しやすいというなんとも矛盾しているかのような仕様です。
しかしこれがまたどのチューニングにも万能なスネアでして、
低い音も高い音もどちらもこのスネア特有の個性的なサウンド出してくれる素晴らしいスネアです。
ちなみに普通のスネアより価格もお買い得なのでめちゃオススメです。
問題は見た目がワル過ぎるくらいですかね・・・
裏面にこういったスナッピーと呼ばれる蛇腹の金属があるのが特徴ですね。
これがあるおかげでスネア特有のジャリジャリ音が得られるんですよね。
このスナッピーは最初の画像の左側にチラッと写っている
「ストレイナー」と呼ばれる部分で付け外しが出来るのも特徴なので、
曲によってはわざとスナッピーを外したりして使い分けることが出来ます。
このスナッピーは種類もたくさんあるし、強めに張ったり弱めにしたりして
非常にドラマーの個性や特徴が現れやすいとても興味深い部分です。
強めに張ればスネアの余韻が短くなりミュートがかった音になるし、弱くすれば逆に余韻が強めに現れます。
僕個人のチューニングはスネアはハイピッチ(高め)でスナッピーもそこそこ強めにしています。
元々はローピッチ(低め)スネアが好きだったんですが、
あるときからハイピッチスネアの美しさに気づいてしまって以降は上記のようなセッティングにしています。
ヘッド(打面や裏面の皮のこと)選びも非常に重要で、
多岐に渡る薄さのバリエーションや皮自体の素材も音に大きな影響を与えます。
トイレットペーパーみたいに1枚だったり2枚重ねだったり、
微妙な薄さの加減だったり
プラスチックが主流ですが本革のものもあったり、
僕のスネアみたいに中心にドットがあったり無かったり。
例えば僕のは表面ツルツルですがジャズとかだとブラシ奏法という特徴的な演奏法があったりするので、
わざと表面がザラザラしていたりと・・・。
言い出したらキリが無いですね。
私のお気に入りはREMO製のCSコーテッド アンバサダーという製品です。
今のスネアの写真とは違うんですが、買い換えのタイミングで売り切れだったので仕方なく今のモデルにした経緯があります・・・。
最後のアンバサダーという部分が製品の薄さを指していて、
- ディプロマット・・・一番薄い
- アンバサダー・・・真ん中
- エンペラー・・・一番厚い
という感じになっています。
薄いと繊細で煌びやかなサウンドになりますし、
厚いとふくよかなタイトサウンドになります。
薄いと耐久性も下がるのでパワーヒッターには向きません。
アンバサダーは両方のいいとこ取りです。
また、スネアとバスドラムは他の太鼓と違って
ドラムヘッドが打面側と裏面側で専用に販売されているのも特徴です。
ルールなんて存在しないので、打面用ヘッドを裏面に使っても面白いサウンドを作れると思いますが、
メーカーが長年培ってきた歴史があるので、わざわざルールに背くことも無いでしょう。
とまぁこんなかんじでスネア1つ語るだけでもここまでかかってしまうわけですから、
会社からのノルマを達成するのにドラム解説はうってつけなんですよね。
次回はシンバル解説でもしましょうかね。
では今回はこの辺で!
ご拝読ありがとうございました!