第39回!音響屋さんのお仕事〜ボーカロイド編〜

弊社HPへアクセス頂きまして誠にありがとうございます。

株式会社RTT チーフオペレーターの高橋です。

 

何を思ったのか。

急にボーカロイドを触り始めてみたので軽く記事にしようと思います。

 

第39回!音響屋さんのお仕事〜ボーカロイド編〜

 

もう音響屋さんのお仕事とは全くではないものの、

ほとんど関係ないボーカロイドのお話です。

 

まずボーカロイドとは、というところから。

ボーカロイドについて、あまり詳しくない方も多いと思うのでざっくり説明すると、

ボーカロイド(VOCALOID)とは「歌声合成ソフト」の総称です。

実際に声優さんや歌手さんなどの歌声を収録して解析、

それをユーザーが自分でメロディーラインと歌詞を入力すると、

その通りに歌を歌ってくれるというものです。

そして一般的にボーカロイドとして扱われる歌声合成ソフトは数多くあって、

「ボーカロイド(VOCALOID)」というのは正確にはヤマハ株式会社の登録商標なので、

ヤマハ製以外の歌声合成ソフトをボーカロイドと呼ぶのは正確には間違い。

 

有名どころでいえば「初音ミク」の存在ですよね。

https://piapro.net/pages/character

名前だけは知っているという方も多いはずです。

仮想のキャラクターとしてビジュアルや名前を与えることによってリアリティーが生まれ、

バーチャルアイドルとしての地位を確実なものとしました。

16歳、158cm、42Kgらしいです。

いろいろツッコミたいところですが、多方面から怒られそうなのでやめておきます。

 

あくまでも歌声を合成するためのソフトなので、

伴奏が無ければただのアカペラになってしまいますから

伴奏は一般的なDAWを用いて作曲するかオフボーカルのものを用意する必要がありますが、

実際にボーカリストを呼んでレコーディングするといった手間がかからず

自宅での作業だけで手軽に自分で作曲した伴奏に歌声を合成することが出来たので

ボーカロイドは現在まで続く根強い文化を創ることになりました。

 

上記のリンク先に飛んでいただければ分かるとおり、

一概にボーカロイドといっても多くのソフトが存在しキャラクター(音声ライブラリー)も非常に多いです。

人の声がその人によって十人十色であるように、

ボーカロイド自体の歌声も製品それぞれで異なるので

ユーザーは曲に似合った声質を選ぶことが出来るのも特徴です。

 

ボーカロイド自体は2000年代前半に普及しましたが現在でも新しい製品が発表され、

ディープラーニングを用いた機械学習(AI化)によって凄まじい進化を遂げています。

詳しい人からすると「なんで今更ボーカロイドなん?」と言われそうですが、

実際に使った感想として創作意欲も上がりましたし、

思っていたよりもローコストだったので

これからDAWを始める人たちも持っておいて損はしないかなと思いました。

 

DAWを始める人たちにとってまず最初に躓くのが

「どの製品を選んだら良いのかわからない」点ですよね。

ボーカロイドも同じで、

使っているOS毎に対応しているソフトが異なるという点。

 

私はMacユーザーなので、Mac対応製品しか使えませんし、

WindowsユーザーであればWindows対応製品しか使えません。

DAWソフトについてのお話は以前の記事で軽く紹介しているので参考にしていただいて、

歌声合成ソフトについて軽く紹介していきます。

 

得意とする音域やテンポなど歌声ライブラリーごとの特徴があるので、

自分の作曲したものにマッチするかどうか、

歌声だけでなく様々な部分で違いを楽しむことが出来ます。

 

そして意外と知られていないのが、

メロディーラインを打ち込むエディターと、

実際の音声が収録された歌声ライブラリーは分かれているということには注意です。

エディターのみを買っても歌声ライブラリーが無ければいけませんし、

歌声ライブラリーのみを買ってもエディターが必要なので注意です。

 

VOCALOID5

ヤマハ株式会社製のエディターソフトで、ボーカロイドという文化を創った元祖。

現在ではVer.5(V5)となってVer.4(V4)まではWindowsのみの対応でしたが

V5からWin,Mac両対応となり、

VSTとAudio Units(AU)にも対応しているので

多くのDAW上でプラグインとして起動させることが出来るようになりました。

対応したボイスバンク(歌声ライブラリー)もVer.3~5までのものが対応しているので、

非常に多くの歌声の中から自分好みの歌声を選ぶことが・・・

(あまりにも多すぎて逆に選べないかも・・・)

エディターを購入すればスタンダード版で4種類、

プレミアム版で8種類の歌声ライブラリーが付属してくるのも良い点ですが、

恐らく初めから付属してくるライブラリーを使うよりは

初音ミクなどの追加歌声ライブラリーを使用したいと思う方が多いと思うので、

あまりプレミアム版を購入するメリットは無いかもしれません。

V5の歌声ライブラリーは現状まだ種類が少ないですが、

V4が人気だったようなのでそっちから選ぶのもありですね。

多くの歌声合成ソフトで男声・女声・日本語・英語・中国語に対応していますが、

VOCALOIDはそれらに加えスペイン語や韓国語にも幅広く対応しています。

人気バンド「SEKAI NO OWARI」のボーカル「Fukase」さんをサンプリングしたライブラリーとか、

日本を代表する歌手の一人である「小林幸子」さんのライブラリーもあったりするので、

そういう意味でも他のソフトよりも発展しているといえます。

問題はV5になって価格が若干上がってしまったことでしょうか。

V4よりも簡単に仕上げることが出来るようになった分、

細かい調整がしづらくなってしまったようです。

さらに下記のPiapro Studioで扱える歌声ライブラリーのほぼ全てに対応しています。

https://www.vocaloid.com/

 

Piapro Studio(ピアプロスタジオ)

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社製のエディターソフトです。

Win,Mac両対応の無料ソフトです。というよりはパッケージに付属するソフト。

プラグイン形式はVST,AUの2種類。

皆さんご存じ初音ミクを作った会社です。

少しややこしいんですが、初音ミクを作ったのがクリプトンで、

VOCALOIDという技術を作ったのがヤマハです。

上記の通り、このPiapro StudioはV4Xシリーズの歌声ライブラリーに付属してきます。

なのでまず初心者の方へオススメするのはこのV4Xと名の付いた製品郡でしょう。

初音ミクを初めとする有名な歌声ライブラリーとエディターソフト、

無料版ではありますがDAWソフト(Studio One Artist Piapro Edition)が

まとまったパッケージになっているので、

V4X製品を購入するだけでその日から楽曲制作とボーカロイド制作を始めることが出来ます。

(ただし、「初音ミク NT」及び「Piapro Studio for NT」は、NTシリーズ専用なので互換性がありません。注意してください。)

Piapro Studioは対応する歌声ライブラリーがVOCALOID3~4までの歌声ライブラリーに限定されるものの、

無料でWin,Mac問わず使用可能でVSTとAUの両対応なので多くのDAW上で起動できます。

今後歌声ライブラリーの種類を増やしていきたい場合にはVOCALOID5が良いと思いますが、

簡単にわかりやすくただ1つのV4Xパッケージを購入するだけで済むメリットは大きいです。

ピアプロスタジオとは?

CeVIO AI(チェビオ エーアイ)

2021年に登場した最先端の歌声合成ソフトです。対応はWindowsのみ。

CeVIO製品には2013年から存在する「CeVIO Creative Studio(CeVIO CS)」版と

今回紹介する「CeVIO AI」版の2種類が存在し、基本的には互換性がありません。注意してください。

CeVIO CS版から操作性などを引き継ぎつつも、

ディープラーニングなどを用いたAI技術が取り込まれた最先端の歌声合成ソフトというのが特徴。

実際にデモ音声を聞いてみても分かるように非常に滑らかな歌い方で、

人によっては機械が歌っていると気が付かないレベルまで進化していることが分かります。

逆に機械らしいケロケロボイスのようなものを求めている人には向かないかもしれません。

歌声ライブラリーの種類が少ない点とVSTやAUなどのプラグイン対応ではない点、

Windowsのみ対応の部分で非常に惜しい製品ではありますが、

それでもAI技術を十分実感できる驚くほど自然な歌声のおかげで非常に注目が高まっている製品でもあります。

他の歌声合成ソフトと同じく、

歌声ライブラリーとエディターは分かれていますが、

初回のみスターターセットを購入すればライブラリーとエディターが揃うので、

価格的にも他の製品と大きく変わらないところも良い点です。

CeVIOはソング版とトーク版があり、エディター・ライブラリー共に分かれているので購入の際は注意が必要です。

楽曲で歌わせることが目的の歌声合成ソフトではありますが、

トーク版であればナレーションなどのおしゃべりにも対応しているので

YouTube動画などを作る場合だったり様々な使い方が出来るでしょう。

個人的には「IA AI SONG -ARIA ON THE PLANETES-」通称IA(イア)ちゃんが好みです。

アニソン業界では有名な歌手であるLiaさんをサンプリングしたライブラリーです。

まぁ自分Macユーザーなんで触れないんですけどね・・・

https://cevio.jp/products_cevio_ai/

 

 

Synthesizer V(シンセサイザー ブイ)

2018年に発表されたWindows・MacOS・Linux対応の音声合成ソフト。

開発元となった歌声合成ソフトを改良し、AI技術も取り入れたいわばハイブリッドなソフトです。

Standard版とAI版がありますが、他のソフトと違い歌声ライブラリーに紐付いているので、

Standard版とAI版で編集ソフトをいちいち使い分ける必要がありません。

MIDIや上記のVOCALOID・CeVIO系の楽譜データをインポート出来るので、

別ソフトのデータでもそのまま歌わせることが可能です。

無料版と有料版があり、

無料版のデメリットとしては音声処理の質が有料版と比べて低いのと、

プラグイン対応していないのでスタンドアロンになってしまう点などがあります。

有料版に関しては自分でスクリプトを書ける人なら、

LuaやJavaScriptを使って自分好みのインターフェースにすることが出来、

合成された歌声からブレス(息遣い)成分だけを調整できたりとより豊かな表現が出来るようになります。

また、有料版はVST3とAUにも対応しています。

 

個人的には「京町セイカ」ちゃんの歌声が気に入っていて、

アイドルマスター シンデレラガールズで有名な「立花理香」さんの歌声が元になっています。

ベタ打ちの何も手を加えていない状態でもかなり綺麗に歌ってくれて、

なにも言われなければ機械とは思えないくらいに自然な合成が出来るので、かなりオススメです。

Synthesizer V自体は日本語は勿論、英語や中国語にも対応しているのでその点でも優秀です。

 

DTM STATiONさんがSynthesizer Vの比較記事を詳しく書いてくださっているので、

気になっている人はチェックして見てください。

 

 

いかがだったでしょうか。

色んなメーカーやブランドがいろんな仕様で製品を出しまくっているので、

めちゃくちゃカオスなボーカロイド業界ですが、

一回試しに使ってみてもらえればその素晴らしさに気づいていただけると思っています。

最初は面倒なことも多いかもですが正直慣れるしかありません。

少しでも興味があれば、勇気を持って一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです。

 

ご拝読ありがとうございました。

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