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株式会社RTT チーフオペレーターの高橋です。
第10回で紹介しましたリファレンス音源編が意外にも好評でして、
Googleのアナリティクスも毎回一定のアクセスを頂いているので、
今回も私の独断と偏見で音源を紹介していこうと思います。
といっても、
10回の記事で紹介したリファレンス音源は
最早”正解”と言っても良いくらいに業界では当たり前に使用されているものなので、
これ以上のリファレンス音源は日本の業界標準が変化しない限りはしばらく続くと思います。
なので今回はちょっと志向を変えまして、
私が最近気に入っている音源を紹介していこうと思います。
第23回!音響屋さんのお仕事〜音源紹介編〜
まずはジャンルを絞るべきかとも思ったのですが、
私は基本、クラシック以外の音楽ジャンルは大抵聞きます。
あまりにも音楽のジャンルって種類が多すぎるので全てを説明は出来ませんが、
普段聞かない音楽ジャンルを挙げるなら
・クラシック
・雅楽
・現代音楽
・K-POP
くらいでしょうか。
一応音楽を扱う人間としてなんでも広く聞くように普段から心がけています。
普段から仕事で新しい音源に出会う機会もそれなりにありますしね。
そんな中で最近気になった曲がこちらです。
イヤホンズ/記憶
今年2020年7月22日に発売された
「Theory of evolution」の2曲目に収録されている楽曲。
イヤホンズは声優である
高野麻里佳さん・高橋李依さん・長久友紀さんの3名で構成されたユニットで、
アニメ「それが声優」で登場する架空の音楽ユニットを
同作品の主演(上記3名)によって実際に結成されたユニットです。
声優ユニットということで、
当然ながら今までの作品達は所謂アニソンが多く
他作品とのタイアップも多く出していました。
しかしながら実際にこちらの作品を聞いてみると
「なんなんだ・・・これは・・・?」と思わされます。
フィールドレコーディングによってサンプリングされた環境音が、
次第に重なってリズムやメロディーになっていき、
そこに声優であるメンバーそれぞれの歌というよりは最早”演技”が
作品の世界観へリスナーを沈み込むように溶け合うように引き込んでいきます。
これは通常のボーカルでは表現できないだろうな、と。
”声優”であるからこそ可能な表現だなと感心しました。
メンバー全員が第一線で活躍する人気声優ですし、
その実力の高さがこの作品からも伺えます。
作詞作曲編曲は総合作家の三浦康嗣さん。
ポップユニットの□□□(クチロロ)リーダーであり、
作詞・作曲・編曲・ボーカル・楽器演奏・プログラミング(DAW)・音響エンジニアリング・舞台演出などなど、
なんでも一人で出来てしまう超絶スーパーマンです。
そんな感じで裏方でのお仕事が非常に多いので世間に露出する機会があまりないですが、
上記□□□はラップ担当としていとうせいこうさんがメンバーに居ることでも有名で、
本国の黒人文化であるラップを初めて日本語で取り入れ、
ただ単に日本語ラップをしたのでは無く、
日本人に根付いた言葉遊びの文化や可能性をラップという音楽で日本語を初めて使って表現した点でも
多くの日本人ラッパー達に多大なる影響を与えている人物です。
そんな□□□の必聴アルバムも紹介しておきましょう。
□□□/00:00:00
「everyday is a symphony 」の14曲目に収録されているトラック。
読み方は「れいじれいふんれいびょう」です。
こういうの好きなんすよねぇ
2009年の12月発売のアルバムなんですが、
当時はバンドサウンド中心に聞いていたので触れてきませんでした。
同アルバムの3曲目「Tokyo」とかも良いですし、
三浦さんのやりたいことが表現されていてとても好きです。
曲にサンプリングを使った曲は数多くありますが、
こういった自然では無いフィールドレコーディングの環境音ってなんだかノスタルジックで、
いろんな記憶が頭の中を過ったりします。
最後のアルバムが2017年なのでそろそろ新譜が欲しくなってくる頃合いですが、
上記の通り三浦さんはとても多忙ですし、
□□□のベース担当「村田シゲ」さんは様々なアーティストのサポートを、
いとうせいこうさんなんかは近畿大学の客員教授なんかも務めてますから
メンバー全員超多忙なんですよね。
近いうちに発表は無さそうだなぁ・・・。
最近流行の曲もなんだか同じような曲に聞こえてきますし、
私の感性を震えさせるような曲に出会いたいですね。
ご拝読ありがとうございました!