第36回!音響屋さんのお仕事〜映像伝送規格編〜

弊社HPへアクセス頂きまして誠にありがとうございます。

株式会社RTT チーフオペレーターの高橋です。

 

弊社のライブ配信サービス開始が去年の6月でした。

サービス開始から1年以上経過し、

現場もコロナ禍の配信需要増からそれなりの数をこなしてきました。

 

しかしながら弊社の新入社員も増えましたし、

今居るスタッフも全員がライブ配信のことを把握しているわけではありません。

 

サービスのことは理解していても、

現場でのとっさの判断やトラブルシューティングが完璧に出来るようになるまでは

それなりの知識と経験が必要になります。

それを得るにはとにかく数をこなす必要があり、時間もかかります。当然です。

 

なので知らないことは決して悪いことでは無く、理解しようという姿勢さえあればどうにでもなります。

大切なのは“知っていること”では無く、”知らないということを自覚している”いわば無知の知というやつです。

 

そんなわけで自身の復習もかねて今回はこのテーマでお話ししていきます。

 

それでは参りましょう!

 

第36回!音響屋さんのお仕事〜映像伝送規格編〜

今回たまたま新人指導としてライブ配信についてのノウハウを話す機会があったので、このブログでも記事にしたいと思います。

 

映像伝送規格と言われても素人の方はピンと来ないかもしれませんが、

一般的に広く知られているのはやはりHDMIでしょう。

今やどのディスプレイにもテレビにも搭載されていますし、

DVD,Blu-rayプレイヤーやPCでも見かけることが多いですよね。

 

今回の記事ではこういった映像を扱うときの規格について触れていきます。

 

このブログを見てくださっている方々の年齢層が把握できていないのですが、

なんとなく歴史を振り返るような感じで進めていけたらと思っています。

というわけで古い規格から順にいきましょうか。

 

1980年代〜

日本で竹の子族が流行した80年代。バブル景気に突入したのが80年代後半から。

ポカリスエットが発売されたのも80年だそうで、

初代ファミリーコンピュータが発売されたり、レコードからゆっくりとCDに移行し始めたのもこの頃。

この頃、主に使われていた規格が「コンポジット映像信号」という規格。

もう今の高校生より下の子達は見たことすら無いかもしれませんね。

コンポジット

信号 : アナログ信号

コネクタ形状 : RCA / BNC

コンポジット映像信号は映像の持つ複数の情報を1本の端子で伝送できるようにした規格です。

赤白黄のケーブルを思い出す人も多いかもしれませんが、赤白に関しては音声信号で映像部分は黄色だけが担っています。

現在でも多くの家庭用テレビやプレーヤーで見かけることが出来ますね。

コンポジットという言葉には「合成」という意味があって、

映像信号の持つ「同期信号」「輝度信号」「色信号」を1つにまとめてRCA端子もしくはBNCコネクタで伝送出来ます。

しかしながら上記3つの情報が混ざり合ってしまうために高画質を実現することが難しく、ノイズが発生しやすいデメリットがありました。

その後1987年に上記問題を解決すべく、

コンポジット映像信号を「輝度信号&同期信号」と「色信号」の2つに分離出来るようにした

「S端子」が日本ビクター(今のJVCケンウッド)から策定されました。

 

S-VIDEO

信号 : アナログ

コネクタ形状 : S端子(mini DIN 4pin or 7pin)

上記、当時の日本ビクターが策定した規格です。

写真はこちら。

今でも一部のテレビやプレーヤーに採用されている、こちらも歴史のある規格です。

上記の通り、コンポジット映像信号と比較して映像信号に含まれる情報を分離出来るのが特徴です。

その上で1つの端子で伝送出来るので、コンポジット映像信号の進化形といっても良いかもしれません。

(というか信号自体はコンポジット映像信号と変わらないらしい・・・)

コネクタがあまり抜き差しに強くないのと、

USBやHDMIみたいに挿せる向きが決まっていたりして無理に扱うと壊れやすいのが弱点。

「だったらRCAで良くね?」って感じで不遇な扱いを受けたとか受けてないとか。

 

コンポーネント

信号 : アナログ

コネクタ形状 : RCA / BNC / D端子

同じく80年代後半、

業務用の規格として活躍していたのが「コンポーネント映像信号」です。

既に紹介した「コンポジット」と「S-VIDEO」はどちらかと言えば家庭用を意識して作られている規格ですが、

こちらの「コンポーネント」は完全にプロ向けに意識されています。

コンポーネントと違い映像信号の情報を全て個別に伝送するので

上記のような3本のケーブルが必要になり接続の手間が増えますが、

そのおかげでコンポジットよりも高品質の伝送が可能になるため映像を扱うプロの間ではこちらが主流でした。

その後1997年には、このコンポーネント映像信号を1本のケーブルで伝送出来る「D端子」も登場しています。

今でもテレビなどには搭載されていますね。(一回も使ったこと無いけど・・・)

あと「コンポジット」と混同しやすいのも注意。全く別物なので。

 

VGA

信号 : アナログ

コネクタ形状 : D-sub15pin

「コンポーネント映像信号」と同じなんですが、区別した方が良いかなと思って分けました。

WindowsPCやプロジェクター、一般的なディスプレイには現役で搭載されている規格。

一昔前までは現場の最先端でバリバリ活躍していました。

87年頃に出てきて、「コンポーネント」と同じくそれぞれの情報を分離出来る点など変わらないんですが、

決定的な違いが「色空間」の部分。

普段全く気にしたことが無いかもしれない色空間。わかりやすく言えば色そのものの情報です。

画面に色を出すための命令であり、その記録・指示方法が違うのです。

というのも当時はまだカラーテレビが発達しておらず、

カラーテレビ自体は世の中にあったもののあまり普及していませんでした。

当時モノクロの多かったテレビ放送向けのコンポジットなどと違い、

パソコン向けだったVGAはモノクロを想定せず端っからカラー向けの規格だったようです。

つまり、同じ色を表現する場合にその命令の仕方が異なるのだそう。

 

SDI

信号 : デジタル

コネクタ形状 : BNC

1989年に世界初のデジタルビデオ伝送用の規格として生まれたのがSDI(Serial Digital Interface)という規格。

今日でも多くの業務用機器に広く使われているプロからの信頼が厚い伝送規格です。

一般家庭で見かけることは殆ど無いと思いますが、

業務用機器の中でも比較的ハイクオリティなモデルに搭載されていることが多く、

SDIが搭載されている機器は「(良いやつなんだな・・・)」って思ってもらえれば良いかと思います。

75Ωの同軸ケーブル1本で理論上100mまでの長距離伝送が可能です。

時代が進み、現代では対応解像度も最大4Kまで(12G-SDI)対応しました。

映像信号に加えて「音声信号」も一緒に伝送可能です。後述するHDMIと一緒ですね。

最大の特徴は「抜け止めのロック機構が備わっている」点と「SMPTEタイムコード」に対応している点。

本番中にケーブルが抜けるのは大問題に発展しますし、ロック機構が付いているのは精神安定上とてもよろしいです。

さらにタイムコードを使うとお互いの機器同士を同期させることが出来るので、

例えば音楽ライブなどで音楽と照明、さらに映像やバズーカなどの特殊効果などを予め決めたタイミングでいっぺんに制御出来ます。

とにかくプロにとって嬉しい機能が備わっているわけですね。

 

2000年代〜

90年代をいきなり飛ばして2000年代です。

90年代では上記で軽く触れた新しい規格「D端子」が登場しましたが、

信号の中身自体はコンポーネントと変わらずその進化形という位置付けで良いかと。

因みにD端子は日本独自の規格らしく、外国向け製品には普及していないらしいです。

 

DVI

正確には90年代後半なんですが、

一番最初に普及したデジタル用伝送規格として「DVI」が策定されました。

 

信号 : デジタル / アナログ

コネクタ形状 : DVI-D / DVI-A / DVI-I

VGAの次世代を担う規格として登場したDVI。

アナログの需要も多かったので、デジタルとアナログの両方で扱えるように作られています。

コネクタ形状はデジタル用のDVI-D(Digital)とアナログ用のDVI-A(Analog)、

その二つに対応したDVI-I(Integrated : 統合)の3種類。

画像にあるDual Linkはそれぞれをより高画質に対応させた形です。

勘違いしてはいけないのが、両対応だからといってデジタルとアナログの変換機能があるわけではない点。

DVI-Dを使っているときにDVI-Aの穴に挿しても駄目ですし、

DVI-Iを使っていても内部信号がデジタルならDVI-DかDVI-Iに挿さないと使えません。

 

 

HDMI

信号 : デジタル

コネクタ形状 : HDMI Type-A(19pin) / Type-B(29pin) / Type-C(mini HDMI) / Type-D(micro HDMI) / Type-E

今では映像伝送規格の頂点に君臨しているといっても過言では無いHDMI。

2002年に登場した、上記DVIの技術を元に音声情報著作権保護機能などなどを盛り込んだ世界中で広く普及している規格です。

https://jtmw.net/?p=534

Type-Aは見たことある人も多いと思いますが、

一言にHDMIといってもこれだけのコネクタ形状があります。

主に使われているのはType-AとType-Dでしょうか。

所謂普通のHDMIとmicro HDMIですね。Type-DはAndroidスマートフォンや一眼レフなどに採用されています。

Type-BはType-Aのピン数を増やして高性能にした形ですが、

Type-AのままでもType-Bの性能を超えられるようになったので現在では全くというほど使われていません。

Type-Cはmini HDMIと呼ばれる形でmicro HDMI登場までは家庭用ビデオカメラなどに使われていましたが、

よりサイズの小さいType-Dが登場してからはType-Bと同じく使われなくなりました。

さらにはカーナビなどの車載用にType-Eという形もあって、

性能などは全く同じですが車載用ということで抜け止めのロック機構が備わっています。

ただ、Type-Eは上記理由から サイズが大きくなってしまうので

その分コネクタを搭載するためのスペースも確保しなければいけないのが弱点です。

 

HDMI最大の特徴「映像信号」と「音声信号」に加えて

さらに「HDCP」「CEC」「ARC」機能を1本のケーブルで扱えるようになったこと。

今では当たり前の機能ですが登場当初はとても画期的な発明でした。

間違いなくHDMIのおかげで我々の暮らしは一歩進化したと思います。

そして2009年には解像度が4K、2017年には最大8Kまで対応しました。

さらにHDMIには「HDCP(著作権保護機能)」が搭載されていて、

一般に流通しているDVDやBlu-rayディスク製品(映画などの映像作品)の不正コピー防止などに役立っています。

さらにさらに、「CEC(Consumer Electronics Control)」という機能も搭載されていて、

Blu-rayレコーダーでテレビのチャンネルを操作したり、逆にテレビのリモコンでレコーダーの録画予約をしたり、

対応機器をHDMIで接続すれば相互に操作が可能になる機能です。

ゲーム機器だったらテレビのリモコンでPS4やPS5を操作できたりもします。

さらにさらにさらに、「ARC(Audio Return Channel)」「eARC(Enhanced Audio Return Channel)」も搭載。

HDMIケーブル1本だけで5.1ch分(eARCは7.1ch/圧縮形式なら最大32ch)の音声を再生できます。

対応AVアンプやサウンドバーなどとテレビをHDMI-ARCで繋ぐだけで、

Blu-rayやNetflixなど対応作品であればDolby AtmosやDTS-Xなどの高品質な音楽体験が可能になっています。

最近私も自宅にオンキヨー社の「SOUND SPHERE」3.1chサラウンドを導入しましたが、

映画館には及ばないもののNetflixでいつでも迫力のある音を楽しめるのはとても良いです。

 

流石、映像伝送規格の頂点に君臨するにふさわしい圧倒的レベル差を見せつけられますね。

しかしながらHDMIにも弱点はあります。

それは「長距離に弱い」点と「耐久性能が低い」点。

HDMIのみで安定して伝送出来る距離はせいぜい5m以内です。

「5mもあれば十分だろ!」と思うかもしれませんが、

現場で使う以上5mまでしか安心して使えないのは非常にデメリットが大きいです。

それ以上距離が必要な場合はHDMIではなく「SDI」や他の規格に変換したり、そもそもHDMIを諦めたりします。

コネクタ自体も頻繁な抜き差しを想定していないのと、粗悪品が多く出回っているため壊れやすいです。

しかし世の中にHDMI製品があまりにも多いので手に入りやすく、

壊れたときもそこら辺の家電量販店ですぐ購入出来るのはメリットでもあります。

 

 

現場行くときにケーブル忘れても安心だ!!!

 

 

 

今回はここまで!

 

 

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